『たった1日で儲かる社長に生まれ変わる非常識なマーケティング大全』小山竜央|常識を少しずらすだけで、ビジネスは別物になる (2025)

『たった1日で儲かる社長に生まれ変わる 非常識なマーケティング大全』小山竜央 表紙 マーケティング
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『たった1日で儲かる社長に生まれ変わる 非常識なマーケティング大全』は、その名のとおり、マーケティングの全体像を、ぎゅっと一冊にまとめた「大全」です。著者は、集客に特化したマーケターとして、大規模な講演を全国で続けてきた小山竜央氏。タイトルは、いかにも景気のいい煽りに見えますが、中身は意外なほど王道。「流行りの手法ではなく、原理原則から考える」ことを、一貫して説いています。

「非常識」と銘打たれていますが、語られるのは、奇をてらった裏ワザではありません。むしろ、多くの人が「分かっているのに、できていない」基本を、改めて徹底しよう、という話です。常識を、ほんの少しだけずらして、正しくやり切る。それだけで、ビジネスは別物のように動き出す——本書は、そう教えてくれます。いま力を注いでいるのは、作ることと知ってもらうこと、どちらに近いですか?

ビジネスの土台は、商品ではなく「集客」だ。
常識を少しずらし、お客が集まる仕組みを先に作れば、ビジネスは別物になる。

著者と本の立ち位置

著者の小山竜央氏は、「集客」を専門とするマーケターです。法人へのビジネス指導や、全国での大規模な講演を通じて、数多くの経営者や起業家に、実践的なノウハウを届けてきました。机上の理論ではなく、「現場で、実際に人が集まり、売れるかどうか」を、何より重んじる立場の人です。

本書は、その実践のなかで培った知見を、12の章に分けて、体系的にまとめたものです。集客、差別化、ブランディング、商品づくり、コピーライティング——マーケティングに必要な要素が、ひととおり並んでいます。だから、「マーケティングの全体像を、まず一冊でつかみたい」という人にとって、便利な見取り図になります。

「集客第一主義」——すべては人を集めることから

本書が、いちばん強く打ち出すのが、「集客第一主義」という考え方です。どんなに良い商品やサービスを持っていても、その存在を知ってもらえなければ、売れようがありません。だから、ビジネスの原点にして頂点は、「集客」——お客を集めることにある、と小山氏は言い切ります。

視点を、売り手側から相手側へ置き直す

そして、集客のために欠かせないのが、「お客の側から見る」目線です。市場とは、データではなく、生身の「人」の集まり。そのお客は、商品が欲しいのではなく、「自分の問題を解決したい」から、お金を払う。だから、自分が売りたいものを押し出すのではなく、「相手は、どんな問題を抱えているのか」から考えます。この、視点を相手側に置く姿勢が、本書のすべての土台になっています。客が払うのは、解決に対してだ。

夕暮れの広場で灯りのともる店へ長い影が伸びる。人が集まる場所をつくる集客のイメージ

「常識を少しずらす」——差別化と仕組み化

集客の土台を押さえたうえで、本書は、ビジネスを伸ばすための要素を、次々と展開していきます。たとえば、ほかと同じことをしていては埋もれてしまうから、「強烈な差別化」で、選ばれる存在になること。一度きりの取引で終わらせず、見込み客のリストを集め、関係を育てて、長く付き合うこと。

ブランディング、商品づくり、コピー——王道を並べ直す

さらに、選ばれやすくするためのブランディング、売れ続ける商品を「仕組み」としてつくること、そして、人の心を動かすコピーライティングまで。一つひとつは、マーケティングの王道です。本書の持ち味は、それらを「常識を少しずらす」という視点で、実践的に語り直すところにあります。当たり前を、少しだけ角度を変えて、きちんとやり切る——その積み重ねが、大きな差を生むのです。

麻布を敷いた木の卓に重ねた無地のカード。その手前で一枚だけが角度を変えて立てかけられ、縁に光が当たる。際立たせる差別化のイメージ

「死に筋」を主役にしてみた

業界の常識では、動きの鈍い在庫は値下げして早く処分するもの。でも私は逆をやったことがあります。倉庫で眠っていた在庫をあえて丁寧に店頭へ並べ直し、「今だけ」の見せ方で定番の一角に据えたんです。

すると、処分品扱いだったはずの商品が定期的に売れるようになり、店の売上をかなり補ってくれました。捨てる前提だったものが、見せ方ひとつで主役になる。常識を疑うと、思わぬ利益が眠っていることがあります。

明日から試せること

  • 自分のビジネスや発信で、「集客」を後回しにしていないかを点検する。良いものを作ることと同じくらい、知ってもらう工夫に力を割く。
  • 自分の商品やサービスが、「お客のどんな問題を解決するのか」を、一文で言葉にしてみる。
  • まわりと同じになっている部分をひとつ見つけ、「ここだけは違う」という、小さな差別化を考えてみる。

特別な才能を足すより、当たり前を一つ、やり切ること。派手さがないぶん、誰にでも真似できます。本書に並ぶ原則を、ひとつずつ自分のビジネスに当てはめていくと、抜けていた基本が、見えてきます。

タイトルを文字どおりに受け取らないために

押さえておきたいのは、タイトルの「たった1日で」「儲かる社長に生まれ変わる」を、文字どおりに受け取らないことです。マーケティングの実践は、一日で身につくものではありませんし、本書を読んだだけで、すぐ儲かるわけでもありません。あくまで、地道に取り組むための「全体地図」だと考えるのが、正確なところです。

地図としては便利、深掘りは別の本で

また、「大全」として幅広く扱うぶん、一つひとつのテーマの掘り下げは、浅めになります。気になる分野——たとえばコピーライティングや差別化——に出会ったら、その専門書に進むと、理解がぐっと深まります。さらに、強力なマーケティングの技術は、使い方を誤れば、強引な売り込みにもなりえます。本当に良いものを届けるために使う、という前提は、忘れずにいたいところです。

こんな人に効きそうか

自分でビジネスや発信をしていて、「マーケティングの全体像を、まず一冊でつかみたい」という人。良いものを作っているのに、なかなか人に届かず、もどかしさを感じている人。そういう人に、何から手をつければいいかの、便利な地図をくれます。

すでにマーケティングを体系的に実践している人には、おさらいに映るかもしれません。その代わり、基本の徹底ぶりは読み返す価値があります。これは、深く一点を掘る本ではなく、全体を広く見渡し、抜けを点検するための本だからです。

読み終えて

朝の光が差す窓辺の木のカウンター。手前は影に沈み、向こう側の席にだけ光が当たり木のスツールが一脚置かれている。相手の側から考えるイメージ

本を閉じて残ったのは、「ビジネスの差は、特別な裏ワザではなく、当たり前をやり切れるかで決まる」という一点でした。集客を大切にする。お客の問題から考える。少しだけ差別化する。どれも、知ってはいることばかり。けれど、それをひとつずつ、ちゃんとやり切れている人は、案外少ないのです。

まずは、自分のビジネスや発信で、いちばん抜けていそうな基本を、ひとつだけ選んで、やり切ってみましょう。その小さな徹底が、「常識を少しずらす」の、いちばん確かな第一歩になります。

📖 『たった1日で儲かる社長に生まれ変わる 非常識なマーケティング大全』 小山竜央

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